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2009/07/05(Sun)

[その他] ●いのちを未来に〜母からの贈りもの(10)

            いのちを未来に〜母からの贈りもの(10)

  〜 ポストは最後の緊急避難 〜  賀久はつ先生(むなかた助産院院長)

熊本市の慈恵病院に「こうのとりのゆりかご」の名前で日本初の赤ちゃんポスト
が設置され、運用されています。ここに至るまでには「胎児を人として尊重し、
守りたい」というボランティアの努力がありました。

1982(昭和57)年、マザーテレサが2回目の来日をしました。講演で「日本は
美しい国ですが、子供を闇から闇に流す中絶が多く、国民がそのことについて、
何とも思わない心の貧しい国だとわかって大変残念です。小さき者のいのちを守
れなくて、どうして世界の平和が守れるでしょうか。どうか子供への愛を失わない
でください」と訴えました。

触発された女性たちが手弁当で家々を回り、マザーの生命尊重の思いを伝えま
した。活動に賛同する人の輪が広がり、生命尊重センター(東京都)ができ、日本
各地でいのちを守る地道な活動が始まったのです。「生命尊重ニュース」という
印刷物を発行し、8千人の購読者がいます。わずか20ページですが、いのち、愛、
子育てと人生のエッセンスが詰まっています。

90年代に入って「エンブリオ基金」を設置し、産みたいけれど経済的に困難な母
子を、これまでに139組救いました。エンブリオとは、妊娠8週までの胎児の学名
で”お金の赤ちゃん”である1円をかけて基金名としたのです。

2000年7月、新聞にドイツの赤ちゃんポストの記事が掲載され、衝撃を受けたセ
ンター副代表の田口朝子氏は「自分に残された仕事」と感じ、現地を視察しました。
いのちの始まりを大切にする社会を目指し、その風を全国に送ったのです。風を
受けて熊本の慈恵病院の蓮田太二氏は「救えるいのちを見過ごせない」と赤ちゃ
んポストの設置に踏み切りました。

赤ちゃんポストは、母と子の生命保護を目的にした最後の緊急避難措置です。
できることなら利用者がないのが望ましいのです。しかし、現実に思わぬ妊娠で
途方に暮れている女性や、どうしても育てられない事情を抱えて罪を犯しかねな
い女性がいることを考えると、そこにある命を救い、罪を犯そうとしている人を救
わねばなりません。

作家の井上ひさし氏は子供のころ、児童福祉施設に預けられた経験があります
が、「赤ちゃんポストに託された子は可哀想ではない。やがてわれわれを支えて
くれる社会の未来である」と語っています。赤ちゃんポストは、生まれたいのちが、
その力を発揮して、いい人生を歩むための入口で、その後の育児・教育に愛と責
任を持てるように社会は成熟しなければなりません。

最も大切なことは、思春期教育と妊婦の保護、とりわけ相談窓口の充実でしょう。
むなかた助産院はいのちのボランティアとして、妊娠SOSホットラインフリーダイ
ヤル:0120-641-085(むつまじく よい おやこ)を設置しています。
利用時間は午後1時〜午後10時まで。(西日本新聞「いのちを未来に」より)

※注:文中に「産みたいけれど経済的に困難な母子を、これまでに139組救いま
した。」と記載されていますが、現時点では174組の母子が救われています。

※注:赤ちゃんポストが設置された翌年は、虐待死が十数件も減少しました。
※賀久先生は、師範塾の「親学教室」第2講座(9/20)の講師です。


by vonsumaine | 2009/07/05 09:06:00 | その他 | comment(0) | trackback(0)
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