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2009/06/19(Fri)

[住まい] ●建築雑誌は無責任だ!

●建築雑誌は無責任だ!

東京オリンピックのポスターを製作された、グラフィックデザイナーの
亀倉雄策氏、写真家の巨匠−土門拳氏、華道草月流の創始者−勅使河原蒼風氏、この三人による、三人三様の書本(1977出版)の中から
下記の文書を紹介します。


アメリカの西海岸だったか、東海岸だったかわすれたが、なにしろ白い家で
屋根の片方が極端に上がって、しかも、ひさしの全くないものが大流行した。雨の全く降らないこの地方では大変必然性があるのだそうだ。

ところが、たちまち雨の多い、しかも台風の通り路の日本でも大流行した。
ほとんど若い建築家の仕事である。雨漏りがしても、ぜったいに直らないということだった。私の知人の家が、この雨もりでなやまされた。何度工事屋をよんでもダメだった。

工事屋が、「だいたい最初から無理なんですよ。
日本じゃこんな構造は雨もりがするということは常識なんですがねえ。なにしろ偉い先生だとゆうことですから。設計どおりやりましたが。雨が困るなら家をこわして最初からやる直すんですね」

こういう雨もりの家を設計する人は、機をみるに敏で上手にジャーナリズムにのってゆく。また建築雑誌というのは無責任で、目新しい、珍奇な家でないと取りあげない。見た目が面白くないからだ。建築雑誌はファッション雑誌と同じである。ファッションも着られないような服でないと、見た目が面白くない。だから住みやすいとか合理的だというよりも、ファッション的な建築を雑誌がとりあげる。

そこで、建築家は、住む人のためにではかく自分の作品発表のために設計する。一生に一度しか家がたてられない人は災難である。下手な医者にかかって、あたら助かる命を落とすのにも似ている。施主は素人だから青図をみてもわからない。ただただ偉い秀才の建築家で、しかもジャ−ナリズムに名前が出ているからだと信頼する。出来上がったのをみて驚いてもあとの祭りである。第一この秀才はエリート意識が強く頑固である。施主のいうことなんか聞くわけがない。逆にとうとうと理論でまくしたてられるのがオチである。しかも建築に対する無知、思想の浅さ、生活程度の低さを指摘されて、ここを住みこなさなければ人間としての未来性がないとおどろかされる。

大体どこの家庭でも亭主はお人よしで、おっちょこちょいである。若い建築家のなにやらワケのわからなぬむずかしい言葉つかいの理屈をきいて、さも理解し、共鳴したような顔をする。そうして自分新しい芸術の保護者になったような気分になる。そうしてどんなデザインの家でもよろこんで住まわなければ、自分は時代おくれや、無知を笑われるかも知れないと虚栄心
が顔をもたげる。これで、運命はきまったようなものだ、家が出来上がってから、こんなわけではなかったと内心驚くが、さも満足してようなか顔をする。ところが女房どのは現実主義だから、どんでもないと亭主にくってかかる。 「こんな使いにくい家、なんとか直してくれ」 というわけだ。
今更どうにもならない。 これがもとでず〜っと夫婦げんかのたえるまがないという家庭がある。いや ほんとうの話だ。

































by vonsumaine | 2009/06/19 12:25:54 | 住まい | comment(0) | trackback(0)
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